で、自分に必要なことはなんでしょう?

 「人にトレーニングすること」がテーマのクライアントさんで、2回目のセッションでした。前回、言葉を変えるというよりも、言い方そのものの視座を変えるという、コミュニケーションの根本的なところを見直すことが課題となっていました。上から目線だったり、こちらが怒るような関わり方ではなく、「相手はきっとできる」と信頼して言うと、相手の返事自体も変わったようです。クライアントさんの上の上司も、部下たちの返事の仕方が「はぁ」みたいなところから、「はい」としっかりと変わったことに驚いていたようでした。

 これからさらに、どのようにトレーニングしていくのか? 考えていく時間になりました。と言いつつも、クライアントさんが自分で話して、確認していくというような雰囲気でセッションが進んでいきました。
 途中、チーム全体が扱いが難しいと感じている部下の話が何度かでては消えました。結局、「問題にフォーカスするよりも、他の可能性のある部下に時間を割くことを意識する」ということで、この話に終止符が打たれました。

 そのあとです。急展開したのは。最後の10分くらいでしょうか。

「で、自分に必要なことはなんでしょう?」と質問しました。
 今まで部下をどうするか? の話をしていたのですが、クライアントさん自身に初めて矢印が向きました。

「コミュニケーションをとるのが苦手なんですよね」

 この日は気候も良かったので、リバーサイドのテラス席で、セッションをしていました。いつもの場所が混んでいたので、たまたま外に出たのです。クライアントさんが、「こんなところ普段来ないですね。休日は何していいかわからなくなっちゃうんですよ」と、そういえばセッションの初めにも、自然と自分に矢印が向いていたことを思い出しました。

「部下にどうするかというよりも、実は自分が憧れられる人になってしまえば、みんな言うこと聞くんですけどね」

「仕事ちゃんとしている人だとは思われているとは思うんですけど…」

「趣味とかは?」

「本とかを読むので、表現の仕方が独特だとか、そういうことはよく言われるんですけどね。TVとかで、コメンテーターの人とかって、やっぱり話すのうまいなって思いますよね」

「そうですね。説得力ありますよね。説得力というのは、体験があって、裏付けにもなる知識もある話し方ですから、やっぱりプライベートでも自分の新しい体験を増やしていくことも必要ですよ」

「そうですよね。旅行とか行ってないですよね…」

「鎖国中ですか?」

「鎖国ですね~」

「未来を変えるには、今を変えないと変わりませんよ」



 それから具体的に鎖国から開国に向けての手順の話となりました。部下にどうかかわったらいいのか? という話から、矢印は自分へ。
 私も、そういうときがあったなと思います。部下を変えようとして、「心理学の本」を1冊買ったことがありました。でも、なんか読んでいて腑に落ちないし、「こんな方法を知って操作しようとしている自分」がだんだんと違和感になってきて気づいたのです。これじゃだめだと。

 結局、自分が変わることだけにフォーカスを向けました。そのほうが、最短距離で結果も出たのです。そりゃそうです。自分が変わろうと思えば、今日からだって自分に指示を出して変えることができるんですから。それが「今を変える」ことにもなるのだと思います。



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